Heavy Duty

一緒に考えましょう。

我々は既得権益をこわすためにどうすればいいのか

既得権益。どこかの誰かが持っている、その誰かの努力で掴んだものではない権利のことです。

それは先駆者の願い、つまりは後を継ぐ人が豊かであってほしいという希望の決勝ですが、現代に生きる私たちにとって、はっきり言って羨ましいしなくなってほしいもののひとつです。

 

既得権益とはなにか

1番わかりやすいのは、親の財産や社会的基盤を引き継ぐパターンである。財産というのは、なにもお金だけではない。不動産や株式など、持っているだけでお金を生んでくれるものも含まれている。不動産は賃貸収入を生み出してくれるし、株式は配当収入を生み出してくれる。また、社会的基盤というのは2代目社長がイメージしやすい。本人はなにも努力していない(と、外側からは観察される)人物が社長の子供であるという理由で会社の2代目社長になるような場合である。

これら親から引き継ぐというパターンは、一見して親ガチャの勝利者のように見えるし、本人はなにも努力していないのに利益を得ているように見える。しかし想像するに、これら2代目というのは生まれたときからそういう目で見られ続け、必然的に優秀でなければならないし、結果を出し続けなければならない。これはある意味、最初に生み出すという行為よりも難しいように思う。

社長の子供が2代目に、孫が3代目に就任した後、会社が倒産する例が多いのはこのためである。なにごとも始めるのが最も簡単であり、次に維持継続することが、最後にやめることが最も難しい。

他には業界団体が全体として利益を確保しているような場合がある。これはそれら業界全体としての努力の成果であるので、外側から文句をいう筋合いはないし、この利益を実質的に受け取る人というのも、その中でそれなりの努力をしているはずである。

こうして考えてみると、既得権益を得ている人というのは努力せずに利益を手にしているものと思いがちだが、実際にはそれぞれの努力や苦労の上で成り立っている。

しかしこの既得権益は、1度できあがるとかなり強固で、外側から崩すのが難しい。この点も外部からの揶揄や否定的意見のもととなっている。これら既得権益が存在することで、我々は利益を得ることができない、と。ただこの主張は間違っていて、レッドオーシャンを攻略しようとすることそのものが愚かであり、私たちは常にブルーオーシャンを探さなければならない。

 

変化はチャンス

時間の経過と共に、技術や社会は進歩していく。この流れの中で、ごく稀に既得権益の付近で小爆発が起こることがある。このような変化は、強力なはずの既得権益の外壁を少しだけ切り崩し、外側にいる人がその中に入り込む隙間を生み出すことがある。このようなことが起こると、今まで無関係だった人々にもチャンスが回ってくるようになり、新たな利益を生み出すことができる。

この小爆発は、テクノロジーが関与していることが多い。例えば不動産業界に仲介手数料というものがある。これは家を貸したいAさんと家を借りたいBさんがいるような場合に、不動産業者がこのマッチングを行い、AさんBさん両方からその手数料を受け取るというものだ。

この仲介手数料は、そもそも需要と供給のマッチングが個人でできなかったために発生していたものだ。ところがインターネットは個人と個人を容易に結び付け、マッチングにかかるコストをほぼゼロにしてしまった。この結果仲介手数料は取りづらくなり、ひとつの既得権益が消滅したといってもいいだろう。

このように、これまで非効率だった部分が別のテクノロジーによって効率化される、そのような場合に新たなブルーオーシャンを生み出すことができる。

 

 

あなたの周りの非効率はなんですか?

メルカリは個人間売買のマッチングを効率化した。ルンバは非効率だった手作業掃除を効率化した。Freeeなどのクラウド会計は入力作業を効率化した。YouTubeはユーザーが求めるコンテンツ提供を最適化した。

人々が面倒だと思っていること、時間がかかると思っていること、手間がかかると思っていることに、効率化の余地はある。これら非効率をどのように解決するかによって、新たなソリューションは価値を持つ。

この、非効率を効率化することに関しては、大切な能力が二つある。ひとつはアンテナを張って様々な情報を受け取る能力。もうひとつはそれらの情報を組み合わせて考える能力である。

現代では思考というものはほぼ出尽くしている。新たな発見はそうそう出てくるものではない。そのような中で、既存のものをどう組み合わせるか、どうデザインするかが、今後必要な能力の一つなのである。

眼鏡とテクノロジーを組み合わせることでなにができるだろうか。鉛筆とテクノロジーは? あるいは封筒とテクノロジーはどうだろうか?

このように情報を集めて組み合わせて問いを立て続け、いつでもどこでも「?」を持ち続けることが新たな価値を生み出すし、人間をまた一歩前進させるのえある。