Heavy Duty

一緒に考えましょう。

仕事で信頼される人がやっている、ある1つのシンプルなこと

社会人として仕事をするうえで、どうせなら信頼される人になりたいものです。

周りを見回してみると、信頼される人とされない人、その2種類がいることがわかります。ただ、この信頼される人はどのようなことに取り組んでいるのでしょうか。どうすれば信頼される人になることができるのでしょうか。

仕事とは、作業とは何なのか。それを考えることで信頼を勝ち取る道筋が見えてきます。

 

仕事と作業の違い、説明できますか?

社会ではたくさんの人が働き、それぞれの人がそれぞれの役割を果たすことで調和している。衣食住を支える人、サービスや消費を支える人、数え始めるときりがない。

そしてこれら働くことは、一般的に仕事と呼ばれる。仕事とは、このように社会から見た場合、基本的には誰かの役に立つことを指す。すべての人間の存在は相対的で、自分一人だけの力で生きている人はいない。

ただ、働く人から見た場合の仕事とはなんなのか。誰かの役に立つこと? それも正解だ。では誰かの役に立つということは、具体的にはどのようなことを意味しているのだろうか。

こたえは「価値を生み出す」ことである。商品であれサービスであれ、人間へ提供されるものはそれぞれに価値がある。価値があるからこそ人々はそれを求め、対価としてお金を支払うのである。

そして、一般的に仕事といわれるもののなかに、仕事と作業があることは周知の事実だろう。この仕事と作業、いったい何が違うのかというと、仕事が「価値を生み出す」ことならば、作業は「価値を生産する」という点である。

具体的には、「冬だから暖房器具が売れるだろう→暖房器具をこういう流れで作ろう→作った暖房器具をこういう方法で売ろう→次はなにを提供するか?」という風に、どのような価値を提供するのか、あるいは価値をどのように取り扱うのかという全体的なことを考えるのが価値を生み出すということ、つまりは仕事である。

一方作業はというと、仕事によって決められたことを具体的に実行すること。暖房器具の例でいえば実際に工場で作ること、宣伝を行うこと、店舗で販売することといった、生み出された価値を手に取れるものとして作ること、あるいは体験できるものとして提供することをいう。

このような区分から、会社でいえば社長や役員は仕事をしていることが多いし、社員やアルバイトは作業をしていることが多い。これは貴賤のはなしではなく、単純な役割分担としてである。

しかしながらこの役割分担は、得られる収入の額に直結している場合が多い。なぜなら作業は誰でもできるが、価値を生み出すのは容易ではないからだ。得られる収入を増やしたいと思うならば、この価値を生み出す役割を果たせるようにならなければならないが、これもまた容易ではない。会社のような組織では合議によって意思決定がされるため、自分がやりたいからといってできるものではない。組織でその役割を任される、つまりは役割を果たせるであろうという信頼を得なければならない。

 

信頼される人になるためには?

この信頼はどうすれば得られるのだろうか。答えは簡単、与えられた作業に正しく取り組むことである。

考えてみてほしい。学歴が一流の新入社員が入ってきて、その社員はどんどん仕事を任せてくれと言っているとしよう。本人は大学で勉強してきたことをつらつらと述べ、できるであろう理由を論理的に積み上げてくる。

一方別のスタッフがいたとしよう。彼は入社3年目で学歴はそれほどでもないが、与えられた作業にきちんと取り組み、他の社員からの信頼もある。大きな実績を上げたことはないけれども、任せられればきっと責任感を持って取り組んでくれるに違いない。

さらに別のスタッフがいたとしよう。彼女は入社15年のベテランで、会社内のことはほとんど知り尽くしている。ただし、与えられた仕事に文句を言うことが多いし、他の同僚に指摘ばかりしていて、周りからは疎まれているように観測される。

あなたがこの会社の社長だとしたら、このうち誰に信頼を寄せるだろう。

新入社員には実績がない。実績がない人物が役割を果たすイメージを持つのはかなり難しい。この人ならできるだろう、という予測に根拠がないのだ。またベテラン社員も信頼できない。なぜなら日々文句ばかり言っているし、ベテランだというだけで、新しく作業を任せてもきっとまた「仕事が増えた」などと文句を言って正しく取り組まないだろう。

そこで白羽の矢が立つのが入社3年目の彼である。地味で目立たないかもしれないが、当たり前のことを当たり前に行うことができる。きっとあなたの信頼に応えてくれるだろう。

このように、与えられた作業に正しく取り組むということは地味だが確実に本人の実績になる。目の前の作業が「仕事」ではないことが不満かもしれない。周りのキラキラした同世代の人間を見、自分もそんな世界で働きたいと思うかもしれない。

けれども、まずは目の前の作業にきちんと取り組み、そういうことができる人間であると示さなければならない。地味な作業をできない人間に、いきなり別の仕事を任せようとは思わない。

 

仕事に取り組むのはあなたであって、あなたでない

ただ、あまり根を詰めて取り組みすぎると心と体のバランスが崩れてしまう。人間は心や体が健康であるからこそ生きていけるし、他者と関わることができる。この点は全ての基本なのである。

仕事が辛すぎても、大変過ぎても、よくない。仕事を与えられたからといって、過度に残業したり休日返上してまで働く必要はない。それよりもむしろ、きちんとキャパオーバーであることを周りに相談できる方がよっぽどよい。

仕事をしているあなたは、あなたの分人のうちのひとりである。分人はあなたのひとりというだけであって、あなたの中の全員がその分人に振り回される必要はないのだ。