Heavy Duty

一緒に考えましょう。

私にとっての税理士試験

ただ今絶賛取組中である。

2015年:全経上級受験。合格。税理士試験受験資格を得る。

2016年:簿記論、財務諸表論受験。合格なし。

2017年:簿記論、財務諸表論受験。合格なし。

2018年:簿記論、財務諸表論受験。財務諸表論合格。

2019年:簿記論受験。合格なし。

2020年:簿記論、法人税法受験。簿記論合格。

 

税理士試験を目指したきっかけ

2009年から2014年までの5年間、上場会社で働いていたのだが、当時の仕事内容は原子力発電所にかかわるものであり、東日本大震災の影響を受けて最後の1年間は激務だった。

いち発電所のいち現場作業員ではあったが、最後の1年間は本店で意思決定の末端を担う仕事をしていたのだが、それは仕事といってもAさんとBさんの意見の調整をするというものだった。どんなにきれいな言葉で取り繕おうとしても無理だった、どこまでいってもたくさんの個人的な不機嫌と不機嫌の間を調整することでしかなかった。

今の自分ならそういうこともある、の一言で片づけられるのだけれど、当時の私は若かったし、良くも悪くも潔癖だった。なんなら激務で少し精神を病んで、正常な状態ではなかったのかもしれない。

とにかくそんなこんなで辞めた。最後の方は予算管理や仕訳の整理などをかじっていたから、その延長線上にあった税理士を目指すことにして、まあ辞めるギリギリで簿記2級を取ったりしつつこの道に入った。

 

難しいの一言

そのあとはいろいろあり、今の職場に落ち着いた。そもそも税理士試験は受験資格が必要なのだが、高専卒である私は残念ながらその要件を満たしていなかった。そのため全経上級というマニアック極まりない試験をパスして受験資格を得たのち、税理士試験の道へ入ることになる。

最初に書いたとおりだけれども全くと言っていいほど順調ではない。そもそも合格率10%の試験を5回通らなければならないのだ。2回は済んだが、あと3回も残っている。正気の沙汰ではない。

そして当たり前だが私も生きていかなければならないので、働いてお金を稼いでいる。働くことと並行してそんな試験勉強などやっているのだから、難しいにもほどがある。この上子供がいたらそれはもうほぼ不可能だろうというレベルである。

これから働きながら税理士を目指そうという人にアドバイスできるのなら、余程の体力と時間がなければ達成できないと伝えたい。資格学校の甘い言葉に騙されてはいけない。あれは嘘である。そのような情報の2倍から3倍大変であることを覚悟しなくてはならない。

ひとつ学んだことがある。世の中にあふれている言葉というのは、基本的に美辞麗句であるということだ。若く世間知らずだった私はそのような言葉にまんまと引き寄せられ、今の道に足を突っ込んでしまい抜け出せなくなっているわけだから、美しい言葉のなんと強力なことか。広告の分野に金が集まることも頷けるのである。

 

私の中での捉え方

はじめのうちは勉強するのも楽しく、単純に知らない知識を知ることができることを嬉しく感じていた。それがたまに仕事に活かすことができると、この上ない喜びである。そう思っていた。

しかし現実は甘くない。一向に突破できない。私はもはや、税理士試験に対しては怒りや憎しみしか抱いていない。完全に敵である。ぶっ倒してやると思っている。ボコボコにやっつけた敵から奪い取ったバッジをつけて、早く自分なりの稼ぎ方を作りたい。

思うに、過程ではなく成果に価値があるように、試験に合格すること自体はそれほど価値があるわけではなく、そのことによって得た資格を活かしてどう稼いでいくかということこそが真に取り組むべき課題である。このことを見失っては本末転倒なのだが、しかし見失ってしまうほどにこの試験はキツい。

やり遂げた方々のつぶやきをよく見かけるのだが、みなさん一様に嬉しさより安堵を感じる、もう勉強しなくてもいいという安心感が大きいとおっしゃっている。それほどに辛い期間を積み上げてやっと到達できるということだろう。

 

資格とはなにか

多種多様の資格があるが、主に二つの種類があると思う。

ひとつは基本的に危険で行ってはならない行為について、その行為についての知識・技能をある程度まで高めることによって許可を得、その行為を行うことができるようになるものである。例としては運転免許などだろう。ふたつ目は税理士もそうだが、生業として営むことを許可する類のもの。後者の資格は取得までの道のりがかなりつらいものが多く、換言すればそこを突破できればある程度飛びぬけた人間になることになり、一般的に安定した収入を得られるようになりやすい。

しかし、前述したとおり資格を取得しただけで自動的に収入が得られるようなことはなく、基本的には労働しなければ対価を得られないことに変わりはない。ここに過度の幻想を抱いて取り組み始めたとしても、それはきっと望まない結果になるだろう。

国家資格の年収ランキングなど、無責任な情報は数多いが、そのような表面的な部分ではなく本質を見極めなければならない。もちろんこれは、自分自身に言い聞かせているのである。